【書評2】学校を変えた最強のプログラミング教育 松田孝

 公教育に長年携わってこられた著者が、遅れている日本の学校教育の課題について書かれている内容が、小学3年生の息子を持つ父親として、どれも大いに共感できた。例えば、子供達は毎日ランドセルを背負って、過去にタイムスリップしている…旧態依然とした学校教育の象徴でもあるランドセル。批判ばかりしたくはないが、今でも相変わらず教育内容は詰め込み型で、よく出来る子にはつまらないし、そうでない子は置いていかれる…学校がテクノロジーの進化に全くついていけていないのは、コロナ禍で休校となった公立小中高校のほとんどで、オンライン教育が実施できなかったことがはっきり証明している…

 そんな環境の中で、2020年にスタートした小学校でのプログラミング教育必修化。その数年前から、全国に先駆けて小学校でのプログラミング教育に取り組んでこられた、元校長である著者の体験談は、現場の実情を知る上で非常に参考になった。

 まず、印象深かったのがプログラミング学習についての子供たちの関心の高さとITリテラシーの高さだ。

 次に、学習内容だが、低・中・高学年で分かれており、低学年はLEDライトの点滅とロボットで遊ぶ、中学年は自分でテキストを打ってロボットを制御する、高学年はドローンを飛ばし、アニメーションやゲームプログラミングに挑戦するなど、学習内容がそれぞれの学年の生徒の知的好奇心を大いに刺激するものになっていた。

 加えて、ICTを活用したオンライン教育では、不登校の生徒にも教育を届けることができるメリットや、対面ではコミュニケーションが苦手な子供でも、モニターを通してならコミュニケーションが可能などの非対面教育ならではの発見もあった。

 私としては、日本の競争力を取り戻すためにも、小学校全学年でのプログラミング教育が実施される日が、1日も早く来てほしいと願っている。一方、ビジネスの世界では、ICTを活用した子供向けのサービスが、近い将来、更に充実したものになるだろうと期待が持てた。私にとっては、現状の公教育への理解を深め今後のあり方を考えさせられる一冊であった。


学校を変えた最強のプログラミング教育

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 大手証券会社の東京オフィス→香港→パリ→サンフランシスコオフィスで法人営業→サンフランシスコで脱サラし、開業した飲食店が繁盛店に→コロナショックで日本に撤退→Web制作とデザインの勉強を始める。→飲食店向けに特化したサブスク型のホームページ制作サービスを立ち上げ。