【書評12】やる気が上がる8つのスイッチ ハイディ・グラント・ハルバーソン

【書評12】やる気が上がる8つのスイッチ ハイディ・グラント・ハルバーソン

 

著者のハイディ・グラント・ハルバーソン(Heidi Grant Halvorson/女性)は、アメリカの社会心理学者で、コロンビア大学ビジネススクールのモチベーション・サイエンスセンター副所長を務める人物。

 

著者はやる気を上げる方法は1つではないと説明している。医者が患者の症状を詳しく聞いてその人にぴったり合った診断を下すように、人のやる気を上げる方法も様々であるということを再認識できた。

 

著者は最初にマインドセットについて紹介している。マインドセットとは、考え方の癖、あるいは思考傾向のことだ。私たちは次の2つのマインドセットのどちらかを持っていると言う。「証明マインドセット」と「成長マインドセット」だ。証明マインドセットを持つ人は、自分の能力の証明に焦点を当て、エネルギーを注いでいる。すなわち、人に自分の能力を見せつけ認めさせようとしている。一方、「成長マインドセット」を持つ人は、自分が向上することに焦点を当てている。能力を高める、新しいことを学ぶ、そして時間とともに向上していく、それらが重要だと思っている。どちらのマインドセットが有益かは明らかであろう。著者は、私たちは固定的にこのどちらかのマインドセットを持つわけではないと言う。つまり自分の性格は意識しさえすれば、変えることができるのだ!実際、私自身の中に確かにこの2つのマインドセットが混在していることを自覚したので、以降を注意深く読み進めた。

 

次のポイントに入るが、ある人たちにとっては、高いレベルの仕事とは達成であり獲得だろう。このような心の焦点を「獲得フォーカス」と言う。また、ある人たちにとっては、高いレベルの仕事とは安定感であり信頼性であると定義づけられるだろう。このような心の焦点を「回避フォーカス」と言う。同じ目標に向かっていても、獲得フォーカスと回避フォーカスではやり方が異なる。戦略も持っている強みも、起こしがちな間違いも違う。獲得フォーカスの人は称賛を得ることに動機づけられるが、回避フォーカスの人は批判を避けることに動機づけられる。全く違うベクトルを持つこの獲得と回避のフォーカスはどちらも成功のためには必須だ。なぜなら、ときにはリスクを取っていかなければならないが、ときには慎重かつ丁寧にことを運ばねばならないからだ。私は、ここでも面白いと感じた。要するにバランス感覚なのだ。

 

3つ目の重要なポイントが自信を持つことだ。ここでの自信とは、「自分にはそれをやり遂げる力がある」と謙虚で静かに確信しているタイプの自信で、「自己効力感」と呼ぶ。自己効力感とは、望む結果を得るために必要とされる能力が自分には備わっていると言う確信のことだ。自分の能力を信じている人は、困難に負けずに努力を続けられる点が強みだ。私はこの章で、初めて自信にも種類があるのだということを知った。

 

著者は以上の3つのポイントをもとに8つのタイプに人の性格を分類し、それぞれに人生の処方箋を示している。ご興味のある方は、本書を手に取ってみられることをお勧めする。自分自身への理解が深まり、人付き合いにおいても多くの気づきが得られるだろう。


やる気が上がる8つのスイッチ


やる気が上がる8つのスイッチ【電子書籍】[ ハイディ・グラント・ハルバーソン ]

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 大手証券会社の東京オフィス→香港→パリ→サンフランシスコオフィスで法人営業→サンフランシスコで脱サラし、開業した飲食店が繁盛店に→コロナショックで日本に撤退→Web制作とデザインの勉強を始める。→飲食店向けに特化したサブスク型のホームページ制作サービスを立ち上げ。